左に飯綱、黒姫山、右に野尻湖を見ながら北国街道(ほっこくかいどう)を北進する。 長野、新潟の県境を越えた辺りから左手に、妙高山をはじめとする威風堂々たる頸城山塊(くびきさんかい)の真っ白な山並みが続く。
妙高山(みょうこうさん)〔2,454m〕は日本百名山に名を連ね、弥彦山(やひこやま)と並んで新潟県を代表する山である。
地元では越後富士とも呼ばれ、頸城三山(くびきさんざん)〔妙高山、火打山、焼山〕の一つであり、また、長野県側の人々からも志賀、草津方面から見る北信五岳(ほくしんごがく)〔飯綱山、戸隠山、黒姫山、妙高山、斑尾山〕のひとつとして親しまれている。
山麓には温泉が沸き、またスキーリゾートエリアとしても知られる。 |
山名の由来は、奈良時代以前は「越の中山」(こしのなかやま)と呼ばれていたものが、風土記の地名好字二字令により「中」一文字が「名香」と当て字され、音読みで「名香山」(みょうこうざん)と読まれるようになった。
その後、仏教において世界の中心にある高山とされる須弥山(しゅみせん)の意訳にちなんで「妙高山」の字が当てられたものであるらしい。
妙高山は安山岩(SiO252〜60%)の成層火山で、長い休止期をはさむ4回の活動期により形成された。
現在の地形は第4期の成層火山と、その頂部の直径3qの爆発カルデラ、その中にある中央火口丘の妙高山溶岩ドームからなる複式火山で、活火山に指定されている。南側の火口原には硫気地帯(地獄谷)がある。 |