白神山地は青森県南西部から秋田県北西部にまたがる面積約130,000haの土地の総称だ。そしてその中心部約17,000haが1933年屋久島と共に日本で初めて世界自然遺産に登録された。
白神山地には人間活動の影響をほとんど受けていない原流域が集中し、世界最大級といわれるブナ林が広域に渡ってほぼ原生そのままの姿で残されている。
白神山地のブナ林内には多種多様な植物群が共存し、それに依存する多くの動物群が育まれ、自然の生態系がありのままの姿で息づいている。
白神山地は広大なブナの原生林だけでなくそこに住む動物、特にツキノワグマなどのほ乳類、クマゲラに代表される鳥類や昆虫類などの宝庫でもある。
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谷は深くV字形をなし、山頂(尾根)付近は比較的緩やかな傾斜をなす。これが白神山地であり、隆起地域が示す特徴の一つでもある。白神山地周辺は、日本でも有数の隆起地帯と言われている。年間0.数mmから数mmの量が数百万年も続き造られた山が、最高峰の向白神岳(1,234.0m)と白神岳、真瀬岳、二ツ森、小岳、青鹿岳、摩須賀岳などの1000m級の山々である。
また、これらを削り笹内川、追良瀬川、赤石川、岩木川の上流部にあたる大川が、県境付近を源流とし、ほぼ一様に北に向かって流れている。
多くの崩壊地が見られることも白神山地の特徴である。特に大川、追良瀬川の上流域では崩壊斜面が目立つ。十二湖西方山腹の大崩は1704年のM7の地震によりできたとも云われており、またこの時十二湖も生じたとされる。 |