三菱グループの明治生命保険とみずほグループの安田生命保険が2004年4月をメドに合併することが発表された。比較的財務内容も良好な業界4位と6位の大手生保同士の合併だ。銀行は、東京三菱、みずほFG、三井住友、UFJ、、損保は、ミレア保険G、損保ジャパン、三井住友、日本興亜の4大グループに集約される。生保業界は、これまで生保同士の統合にはメリットがないといわれ、相互会社という組織的な課題もあり、合併・統合は行われてこなかった。
生保業界では、この5年の間に7社が経営破たんした。契約者からの生保会社への不信感は高まり、解約続出や新規契約の伸び悩みなど、長引く不況と相俟って生保業界は深刻な事態に陥っていった。それに追い討ちをかけるように米同時多発テロ以降の株価の暴落で逆ざや現象に拍車がかかった。大手と言えども体力強化に取り組まざるを得なかったようだ。
今回何よりも注目すべきは、またもや金融グループの垣根を越えた合併だ。損保ではすでに三菱東京グループの東京海上とみずほグループの日動火災が経営統合を決めている。銀行業界はかなり混乱しているようだ。昨日の友は今日の敵、昨日の敵は今日の友状態だ。バブル期を安土桃山時代にたとえれば、現在はまさに戦国時代といえるかもしれない。合従連衡による大胆なリストラの嵐に巻き込まれる侍サラリーマンたちの嘆きが聞こえてくる。長期にわたり庶民が安心して暮らせた江戸時代が早く来ることを期待したい。
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